彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

戯言「昔のこと」

最近、昔を振り返っている。つくづく、生き続けるというのは、罪を重ねることのように思う。そして、僕はその罪を告白しなければ気が済まないような性格でもあるらしい。梶井基次郎のノートにも似たようなことが書かれてあったような気がする。どうしようも…

練習1『自動車学校の様子』

日光の下の朝は澄んでいた。私はいつも自転車の物置小屋のベンチに座っていた。今日も裏の廃屋から発情期の猫がひっきりなしに交尾を求めていた。部活動の練習に励む掛け声が、神社のちょっとした杉林の向こうから聞こえてきた。眼前の教習所はまだ営業時間…

やったぜ

トイレの修理を頼むというのは、自罰的な気持ちになりがちである。私はこの数時間、わずか40分ともかからない時間を過ごすために、全力で掃除に勤しんだ。大抵私のような人間は、部屋を前衛芸術にしがちなのである。修理屋にチクチクと小言を言われながらも…

感想『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』

本作のような作品は、評価する上で極めて個人の経験に左右されがちだ。というのも、本作で最も力を入れているであろう箇所が「人の死をどれだけ幻想的に表現できるか」にあるからだ。 先に書いておくと、本作はあまり楽しめなかった。そのために、褒められる…

雑記「虚構が勝った日」

小田急やら京王線やらで似たような事件が起きた。どちらも動機は社会的弱者という意識から来るものだと思った。これが僕にとってはなかなか衝撃的なことだった。 僕の世代はまだギリギリネット用語を実際に言葉に発したりして交流することに抵抗感があったり…

雑記「どうでもいいこと」

どうでもいいことで夢中になれるというのは、誰だって当然のことだ。そもそも、「どうでもいい」の判断が主観的にしか決められない時点で、ある意味では誰しもが「どうでもいい」ことしかしていないとも言えるわけで。最近もまた、僕にとって「どうでもいい…

感想「最近のロボット作品」

なんやかんや、『境界戦機』『メガトン級ムサシ』『サクガン』の1話を見てみた。それぞれの感想を雑に書いておこうと思う。ムサシと境界戦機は2話以降も見てみたいところだ。マブラブ? は、食わず嫌いってほどでもないが、あんまり興味がない。ただ、ロボッ…

雑記「余裕」

余裕があるからこそ、かわいそうと思えるのではないか、などと最近考えることがあった。例えば、豚を育てて食べる授業があるとかないとかって話を聞いたことはあるが、養豚場で働く方々はそれで生活を賄っているわけで、鼻っから生活が安定している子供たち…

雑記「老婆心」

最近色々あって、我ながら井伏鱒二みたいなことをしていると感じた。実際の井伏鱒二がどうだったかは知る由もないので、この井伏鱒二は僕の思う井伏鱒二なのだが(うるせえな)、どうも老婆心というのは余計な気を張りがちだ。その余計な気というものが、ま…

雑記「エゴ」

問題の当事者はやはり問題を語ることで精算されようとするものだろうか、などと、訳の分からないことを考えたりしている。つまり、魅力的なブログはやはりその人物の生々しさがあるように感じられるが、得てして、そのようなブログは現状も当人のパーソナル…

雑記「矛盾」

*多分先週書いた記事人は早々変わらないものだと思っているが、何故なのかと尋ねられると、うまく答えられそうもない。少なくとも、自分は色々な経験をしてきたと感じているが、それでも根本の部分はそう変わっていないような気もする。我慢するかどうかの…

感想「シン・エヴァンゲリオン」

シンエヴァは見終わってなんとも言えない気持ちになった。直近に観た作品がターンエーやGレコなわけだが、それと比べると、ノリが全く異なるものだった。良い悪いというよりも、楽しみ方が異なるのだろうと思った。単純な好みで言えば、特に何とも思わなかっ…

雑記「グレー」

もしかすると、知能指数に問題があるほど(厳密にはグレーゾーンと言われる類ほど)本能的な部分が強まるのかもしれないと思った。この本能というのは、三大欲求についてというよりも、自尊心のことなのだが、他者との比較によって、自己確立を目指そうとす…

雑記「なんぎなこと」

ファンタジー作品というものを厳密には書いたことがない。細かな定義は難しいものの、幻想とファンタジーは全く異なるものだと考えている。そもそも、どの部分で分類するかという意味でも、ファンタジーは舞台設定に終始するだろうし、幻想はより広範囲な意…

雑記「ウィルス」

昨今は某ウィルスのせいで世の中荒れ気味に感じる。いわゆる今時の若者が〜という人もいれば、アジア人差別の話もあるし、世間から注目を浴びやすいためか、アーティストやユーチューバーの飲み会などで盛り上がっていたりする。どれもこれも根本的には某ウ…

雑記「王道と白米」

昔、恩師が「米はまずいからこそ毎日食べられる」と言っていた。「まずい」というのは、おそらく言い過ぎで、厳密には味が薄いといった意味になるだろうと思う。 これは意外と虚構においても重要なことなのかもしれない。大量生産される音楽や物語にある既視…

雑記「主観だからこそ」

もし、自分の人生が不幸だと考えている人がいれば、それも一つの答えだとしか言えない。結局のところ、幸も不幸も主観によって決められるものに他ならないので、当人がそう思う以上の答えが存在しないのだ。 誰かによって決められるものでもないのだから、折…

雑記「オーバーウォッチについて」

オーバーウォッチというゲームがある。MOBA要素を取り入れたFPSで、もう発売して五年ぐらい経ったはずだ。僕もかれこれ4年ほど遊んでいる。 現状、オーバーウォッチは人が足りなくなっている。マッチングが遅いという話ではなく、おそらく内部レート的に極端…

雑記「モチーフ」

世の中には様々な表現があるものの、どちらかというと、突拍子のないファンタジーにはその役割を担う意味が込められていないと気が済まない質なので、モチーフというものはどうも意識せざるを得ない。 昔読んだ学生の作品の中に、唐突にドラゴンが出てきて冬…

雑記「私小説」

現実世界を舞台にした小説は今は人気が出ないのかねえ、という節を教授が言っていた。どこに着目してリアリティーにするかが問題な気もする。 実際、現実を舞台にしても面白いドラマを作る要素はそれほど変えられそうもない気がする。ジャンルという意味では…

雑記「年齢」

今年で、というよりもあと数日で29歳になってしまう。年上の方々からすると、何を言っているのかねという話に過ぎないかもしれないが、なんだかんだ25を迎えてから毎年衝撃を受けているように思う。いや、26や7はまだなんともと思いつつ、28になると嘘だろう…

雑記「解決策がないこと」

解決策がない物事というのは意外に多いものだと感じる。最近だと、というよりも定期的にいじめで自殺者が出ると(厳密にはその自殺かいじめと判定されると?)報道機関で話題になる。下世話な話なんだろうが、人間の極端に悪い例を報道できる方が注目は浴び…

雑記「問題意識」

問題意識を作品に落とし込むのは中々難しい。どのような問題意識にせよ、はじめは不快な感情から始まるものだ。社会的・精神的な弱者は報われなくてはならないと考える人もいれば、人と人は理解し合えないものだと結論づける人もいる。ただ、それを作品に昇…

雑記「血縁」

血縁関係というものに、特別な何かがあると思い込んでいる方々がいる。僕の母もそうだ。おそらくは、僕の見た目が母の兄と似ているという理由で、母の兄と同じ道程を進むのではないかと心配している。簡単に言えば、麻薬を使い出すのではないか? と思われて…

雑記「滑稽は難しい」

滑稽は難しい。無頼派と呼ばれる小説家たちがその昔いたのだが(太宰治、坂口安吾、石川淳、織田作之助あたりだろうか)、別称で新戯作主義と呼ばれていたような記憶がある。確かに坂口安吾の村の話や、織田作之助の競馬の話なんかは馬鹿馬鹿しくて面白いも…

雑記「作品と私小説」

エヴァンゲリオンが終わった。賛否両論らしいのだが、色々聞いているとあまり見なくてもいいような気がしている。どうも、僕はそれほどエヴァが好みでもないようだ。 別に嫌っているわけでもなく、テレビ、旧劇、新劇となんだかんだ見てきたものの、どこを楽…

雑記「SFとリアル」

エイリアンコヴェナントだったかで、同性愛者が船員にいるのはおかしいというコメントを見た。昨今のポリコレを意識した配慮かもしれないが、たしかにSF的にはおかしく感じる。ざっくり言うと、コヴェナント号に乗った船員たちは新しい植民地となる星を探し…

雑記「祖父」

数年前の今日、祖父が死んだ。何歳かも定かではないが、老衰で亡くなったようだ。祖父は仕事熱心な方だったようで、ほとんどの人生を内科の仕事に費やしてきたと思われる。趣味らしいものもスキーしかなく、ちょっと足を悪くして以降はやらなくなった。それ…

雑記「生存本能」

人に興味がない人がいる。これは厳密には、他人に興味がないという話なので、逆に言えば、自分に興味があるのだろう。逆説的に、という考えはなかなか面白い。 例えば、八方美人の方はコミュニティに所属していること自体に価値を置いているのかもしれないし…

雑記「変化」

春は自殺が多いと聞く。現状が不安な上に、新しい生活の不安に苛まれやすいのかもしれない。実際、僕もそうなりがちだ。 古事記における須佐之男命は、自らの穢れを浄化するために川に入り、髪を切ったという話を講義で聞いたことがあるような気がする。「よ…