彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

雑記⑨

お涙頂戴も一つの腕の見せ所なので、安易な手法と考えてはいけない。王道を王道通りに進めることは、なかなか苦労するに違いない。

  それに安易かどうかは置いておくとして、大体の作品は一見して予想できるようにも思う。実際にあるのかは知らないが『君が最後に恋した日』とかって題名はどうだ。なんかもう胃もたれしそうな物語に感じないか?  

  少し毒が出すぎたか。とはいえ、題名で胃もたれしそうなら、少しひねってみればどうだ。『君の臓物に包まりたい』なら、若年層のサブカルに受けるかもしれない。もちろんアニメ映画だ。三次元なんてダメダメ。化粧した男女よりも夢がある。

  少し毒が出たか。とはいえ、この物語は病弱な少女の物語なのである。さあ泣くがいいティーンエイジャー。ヒロインの死をもってあなた方の涙腺は刺激されるのだ。

  毒づいてはいるものの、別に僕はお涙頂戴に何とも思わない。見ることもなければ、見なければいけないわけでもないからだ。それに分かっていても良いものもある。結局、演出や脚本との相性が悪いだけなのだ。実写版デビルマンで泣ける人もいるだろう。

  だが、泣かせようとして泣かせることができるものもある。そのような作品は、かなり練られているに違いない。多くの人の涙腺を刺激するには、テーマの普遍性が必要だろう。どれだけ、鑑賞者の人生に共感させられるかが重要そうだ。僕も登場人物が最後には成長していく姿、というのにカタルシスを覚えがちだ。思いつくものだとウテナとか。

  そういえば、あまりにも自分のことを書いていない気がしてきたので、そもそも僕は何をしている人間なのか書いておきたい。梶井基次郎