彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

雑記17

 2021年になった。

 去年は、色々な意味で宗教が増えた。信仰の対象がとても広くなったように思う。それだけ、世の中が暗いのかもしれないし、僕が見ている情報などからそう思うだけなのかもしれない。その上で、益々生きづらい世の中になったと感じる。娯楽で逃れられるうちは、まだいいのだろうか。

 結局のところ、どうあれ、僕はこれからも文学に従事するだろう。どのような形であれ手放せないものとなっているので、あとはこれをどう扱うか、金に替える気があるのかないのか(そもそも、架空の600円程度がいまだにアマゾンを彷徨っている。この程度なら回収する気も起きないので、もうどこまでも漂っていればいい)、今後どうするか悩みどころだ。あまり名声を求めていないのか、作品が仕上がるだけで満足する傾向があるので、さて、どうしたものか。

 しかし、今年で自分は29になるのだが、頭が硬くなってきたようにも感じる。ずいぶんと歳をとってしまった。もう人生の8割は生きたような気持ちだ。梶井基次郎は確か33で亡くなった。暗い話になるが、一昨年の僕は危なかった。うっかり勢いさえあれば、三途の川か、審判による地獄か、いずれにせよ、終わらせかねなかった。そして、のうのうと生きて今年を迎えた。

 勢いさえあれば、もう10年早く終わらせていたはずだった。僕はもうその時に一度死んでいるのだと思うことがある。大切な何かを失って、今生きている自分は仮象や抜殻のようなものに感じることがある。生き続けるのは、不思議なことだ。

 そんなことを言いながら、30年40年しぶとく生きるのだろうか。一生で一年ぐらい、何も気負わずに生きてみたいものだ。