彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

雑記「近況みたいな」

修論が正式に終わり、それが承認されるのかどうかが今日決まる。全く問題ないはずだが、その後の人生はどうしたものか。
最近はカフカの「審判」を読んでいる。野間宏の「暗い絵」も少し読んでみたが、戦争文学のようなのでやめてしまった。戦争という舞台の時点で、超常的な破壊の美が伴うことは確かだが、少しずるい設定だとも思える。そういえば、三浦哲郎の「十五歳の周囲」か? あるいは、原民喜の「夏の花」か? 爆風か何かで住んでいた二階が吹き飛ばされていて、主人公は押入れに閉じこもっていたのだが死なず、襖を開けたら快晴の夏の空が斜めに入り込むみたいな描写が美しかった。たしか三浦哲郎だろう。
しかし、出来すぎた話な気もする。夏のよく晴れた日に爆弾が落ちて、あらゆるものが破壊されたわけだ。とても神秘的な気もする。不思議なものだ。
小説も書かなければと思いつつ、過去の作品の編集を始めている。こうして読み返すと、自作のテーマの変容を考えたりする。僕はこの時期何を考え、今どのように考えているのか、という変化がまた面白い。内省的だ。今年は色々読みたいものだ。自分の引き出しが少なくなってきたとつくづく思う。
そういえば、開高健だったかが井伏鱒二にスランプになっていることを話したことがある。井伏鱒二はそれでも書き続けるしかないと言ったそうな。結局書くしかないか。それでどうなるかも作るうちに分かるだろうか。