彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

雑記13

笑いの本質は批判であると聞いたことがあるような、ないような、それとももう少し違ったか。ブラックジョークは皮肉に違いないが。

  ブラックジョークにも質の良し悪しがある。いわゆる短編アニメーションなどで資本主義を批判したものを見ても、何も面白くは感じない。そのままの意味以上のものがないだけならいいのだが、やりすぎると作者の正義を押し付けられている気分にさせられる。自分が正しいという感覚がなければ、なかなか活動的にもなれないものだが、鑑賞者側からすると(というよりも、僕からすると)押し付けがましい正義の裏に何があるのだろうと勘ぐってしまう。

  どのような思想性も経験から生じたものには違いないので、強い批判ができる人ほど、不幸や不満を社会問題に昇華させてきたのだろう。ほとんどの方が、何らかの不幸や不満を持つものなので、多かれ少なかれ賛同を得られるだろう。極論になるほど、不満を強く抱えた方には賛成を得られそうだ。実際は知らん。僕は集団が苦手なのだ。

  とはいえ、強い批判ができる要因はそれだけではない。昭和初期にプロレタリアートが流行して、学生のほとんどが左翼に傾倒したが、これは流行なので、周りとの一体感を楽しんでいたかもしれない。それもまた、周りと合わせた方が良いと考える経験があっての選択だ。何らかの不幸や不満を社会問題に昇華させようとしなくとも、強い批判はできそうなものだ。

  また、極論は目立つ。目立ちたい方々からすると極論も一つの商売道具だろう。嫌われることも計算のうちだ。勢いで吐き出す印象も強いものだが。

  僕は右ではないが、かといって、自分を信じることもできそうにない。