彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

雑記16

作品を作るまでは良いものの、見せることに抵抗がある人が周りにはちらほらいる。確かに作品には多かれ少なかれ作者の性癖や思想が現れるものなので、恥ずかしくなることも分かる。何よりも、評価されることが恐ろしいだろう。 結局のところ、作品は見られる…

雑記15

※追記 12/22 文章の加筆修正。 父はゲーマーだったので、僕も色々なゲームをしてきたものが、思い出深いものの一つは「ときめきメモリアル」だった。緑の髪の水泳部を口説き落としたようだ。親しくなると、あだ名で呼ばれるシステムなのだが、父のつけたあだ…

雑記14

泉鏡花という作家がいる。文学史上では、明治期に尾崎紅葉門下の一人として当時の社会を批判したような作風(確か観念小説と呼ばれていたか)で載っているが、むしろ、観念小説と呼ばれたもの以外の方が真骨頂の印象がある。日本的な幻想小説を書いている方…

雑記13

笑いの本質は批判であると聞いたことがあるような、ないような、それとももう少し違ったか。ブラックジョークは皮肉に違いないが。 ブラックジョークにも質の良し悪しがある。いわゆる短編アニメーションなどで資本主義を批判したものを見ても、何も面白くは…

雑記12

『カラマーゾフの兄弟』のイワンの話のせいか、いつしか「100の祈りよりも1つの奇跡」の方が、人間は信用するものだと思うようになった。僕は中学まで侍者をしていたので(神父の手伝いをする方々で子供が多い)よりイワンの話には感化されやすかったのかも…

雑記11

日本の近代文学史は意外とややこしい印象がある。基本的には純文学史であって、大衆文学のことではない。この違いがまずややこしい。大正昭和初期の作家なら、大抵文学史に出てくるかというとそうでもなかったりする。江戸川乱歩や夢野久作は文学史には出て…

雑記⑩

中立でいるというのは難しいが、かといって、極論はその人の劣等感や見識の狭さを露見されがちかもしれない。自分なりの「正しさ」は必要だと思うが、他者にその「正しさ」を伝える必要はない。色々な都合があっての「正しさ」でしかないので、誰もが酔っ払…

雑記⑨

お涙頂戴も一つの腕の見せ所なので、安易な手法と考えてはいけない。王道を王道通りに進めることは、なかなか苦労するに違いない。 それに安易かどうかは置いておくとして、大体の作品は一見して予想できるようにも思う。実際にあるのかは知らないが『君が最…

雑記⑧

世の中が暗いのか、それとも、暗いものばかり目につくだけなのか。考えてみれば、幸福よりも不幸な話の方が記憶に残りやすいかもしれない。物語の波の作り方としても、やはり不幸があると目的やテーマを定めやすくなる。人の不幸は蜜の味、とはよく言ったも…

雑記⑦

何かを「評価」する時、しばしば、その評価基準が絶対と考えがちだ。誰しも自分の審美眼を信じてみたくなるものだ。僕も気をつけなければならない。 実際、「評価」は難しい。とりわけ、勝敗が明確に存在しない分野は、評価する側の思惑や経験に寄らざるを得…

雑記⑥

好きにしても色々ある。蓼食う虫も好き好きである。 だが、それが好きという理由だけで一生涯続けられるものかどうか。僕で言えば、一生涯小説を書き続けられるかどうか。 僕自身小説を手放すというのは、人生の4分の1を無駄にしたようなものなので、やめる…

雑記⑤

小説や漫画は虚構だが、映画やテレビも虚構だ。その違いは、実在する人物を駒の一つにしているかどうかではないのか。 少し前に、そんなことで盛り上がるような事件があった。詳しく語る気はないので省くが、テレビ番組の演出上悪役を演じていた方が、ネット…

『白い家』

今日の2時頃に作り終えたもの。 ※11/5 よく見たら修正前のものだったので貼り直しました。 スマートフォン用 https://drive.google.com/file/d/1HMHLf7O7nWvQqbUMW8k3kNLoYsp4QZCp/view?usp=drivesdk PC用 https://drive.google.com/file/d/1c-UJfGNPE2f49fi…

To the melting.

『雪解けには』をdeepl翻訳で英語にしたものです。 This is a deepl translation of my work into English. https://drive.google.com/file/d/1W5jEeOz-sUwghbzz7t6h_HywdZsCa6ts/view?usp=drivesdk

雑記④

二人称小説というものがあるらしい。「あなた」や「君」で展開される作品のようだ。僕は読んだことがない。 だが、「あなた」や「君」を主人公にしたところで、誰がそれを語るのか考えると、「私」が省略されているだけな気もする。「あなたはこれから街に出…

雑記③

雑記に文学の話を書けば、販売促進的な効果が得られるのではないかと考えた。とはいえ、口座番号が違うのか、一向にAmazonから有料分の売上が振り込まれていないので、販促の意味もそれほどない。510円がもう半年近くデータの海を漂っているのである。 いく…

雑記②

人には様々な価値観や経験がある、という言葉は耳が腐る程聞いてきたつもりだが、百聞は一見にしかずのようだ。実際知る機会があると、思いの外不思議な気持ちになる。 このような話の場合、言葉を選ばないと毒づいている可能性がある。どのような文章にする…

雑記①

短編集を電子書籍で出版したと同時に、Twitterアカウントを作ったのだが、使い方がいまいち分からない。いくつか趣味のアカウントをフォローしてみたが、どうにもあまり見たくない話題が多い。Twitterで得られる情報というのは範囲が狭く(取捨選択して都合…

『雪解けには』

八月頃の掌編。 スマートフォン用 https://drive.google.com/file/d/1O0IZlGoNnvBYYCPin82cqVkl2qwZDFfq/view?usp=drivesdk PC用 https://drive.google.com/file/d/1YN5VflI1XMzE53ZNTAdTJdLUWjysk5dX/view?usp=drivesdk

はじめに

簡単な経歴 1992年生まれ 北海道出身 石川県在住 小説は7年ぐらい書いています。 今年の四月にAmazonで短編集を出しました。 タイトル名「彼の頭はつっかえた」は、井伏鱒二『山椒魚』の一文「何としても彼の頭はつかえたのである」から拝借しました。特に意…