彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

雑記「血縁」

血縁関係というものに、特別な何かがあると思い込んでいる方々がいる。僕の母もそうだ。おそらくは、僕の見た目が母の兄と似ているという理由で、母の兄と同じ道程を進むのではないかと心配している。簡単に言えば、麻薬を使い出すのではないか? と思われている。またまた、それは考えすぎだろう、とこの文章を読むあなたは考えるかもしれないが「まだ使ってないのか。よかった」などと言われるのだから、考えすぎということもないだろう。
しかし、母だけではないが、想像力や感受性があまり強くない方々は、むしろかえって、非科学的なもの、非合理的なものに惹かれる節があるのかもしれない。母の場合、容姿から発展して、犯罪者予備軍とまで考えられるわけだが、薬を使うかどうかというよりも、使わざるを得ない人々の心情と、僕自身がどう捉えていることが薬物を使うかどうかの問題だと思うので、この話を聞かされる身になれないこと自体が、とても不可解だ。不愉快でもある。久々に腹が立った。やはり母は人を怒らせることが得意なようだ。言っていることは、人の顔を見て犯罪者になると言い出すことと同じわけで、太古の占星術やら手相やら何やらまだともかくとして、2021年の現在に用いるような価値観とはとても思えないのだ。ここまでスラスラ書けるということは、やはりとても腹立たしいことらしい。
腹立たしいついでに言えば、母は元々パンクロックなどの左翼的なものを好む傾向がある。その割に、血縁の呪縛とでも言うようなものを肯定している節がある。どうも実際の自分から離れているものを好む傾向があるようだ。これでは、キャラ好きのオタクが理想的なキャラクターを求めることとそう変わらない。自分の不満や不安を真正面から見つめるのではなく、何かで逃れ続けることで、考えることを放棄しているように感じてしまう。
とはいえ、僕自身母がこのような人間なのだろうと結論づけるのに時間がかかった。そのように捉えて良いのか悪いのか、正しいのか間違っているのかはともかくとして、そう認めること自体が処世術となる。見下すというわけではなく、まったく異なる価値観を持つ人間、というだけの話になる。とはいえ、血縁関係である以上、今後も関わらずにいるというのは難しいので、結局酔っ払いの戯言などと半ば見下したような気持ちでいる方が聞き流しやすいだろう。つくづく、呪いだ。