彼の頭はつっかえた

なんか雑記ばかり書いてますが、一応掌編載せる予定です。

雑記「矛盾」

*多分先週書いた記事

人は早々変わらないものだと思っているが、何故なのかと尋ねられると、うまく答えられそうもない。少なくとも、自分は色々な経験をしてきたと感じているが、それでも根本の部分はそう変わっていないような気もする。我慢するかどうかの判断はするようになったと思うし、文学に価値を置くというのも後発的に得られたもので、やはり人生に大きな影響を与えてきたと思う。
変わらないというのは、元来の性格の部分だと考えている。僕は人の発言に矛盾を感じると(もちろん、だからと言って僕が矛盾しないわけではない。ただ、意見を述べようとするときなどは、せめてその会話中に矛盾を起こさないでもらいたいと思う)、矛盾の意図を考えようとする。僕はそれほど他人の事情に首を突っ込みたいのでもないので、単純にその矛盾の意図に強い自己愛だとかが関わっていると考えがちだ。自己愛が強い人の場合、会話を続けても肯定感を他者に求めているに過ぎないので、相手の自慰行為に延々と付き合わされるような感覚になる。それが苛立つのだろう。もちろん、本人の中では矛盾していないつもりでいる、という場合もある。この場合は、相手の価値観を聞いてみると面白かったりもする。
こういうことをことを書くのも、つくづく僕にしてみれば、どうかしている話を最近聞かされがちだからだ。要するに愚痴というわけだ。

ワクチンを打ち、副作用で寝込む。その間に久々に軽く『屋根の上のサワン』を読む。思えば、このサワンにおける主人公「私」も自分に必死な状態ではあるのだが、あくまでも必至に振る舞おうとする様子を意識的に語っているあたり、とても冷静な調子だ。一人称の面白さというのは、結局この一人称がどのような人間を演じているのかにあるわけで、昨今の分かりやすいブームとは真逆の分野なのかもしれない。